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世界から人が訪れる福島にする - 渡邉一夫・一般財団法人脳神経疾患研究所理事長に聞く◆Vol.1

インタビュー 2013年6月20日 (木)  聞き手・まとめ:橋本佳子(m3.com編集長)

安倍首相は、この4月のロシア訪問で、産学官でロシアと共同で新病院「日ロ先端医療センター」(仮称)を作り、BNCT(ホウ素中性子捕捉療法)を核とすることを表明。癌治療の新手法としてBNCTへの注目が集まる中、サイクロトンを使ったBNCTを世界で初めて導入し、来年から臨床実験を開始するのが、一般財団法人脳神経疾患研究所(福島県郡山市)だ。 BNCT導入は、国および福島県から約43億円の補助金を受けた、総額約80億円にも上る一大プロジェクト。南東北総合病院などを運営する脳神経疾患研究所の理事長を務める渡邉一夫氏は、東日本大震災および福島第一原発事故からの復興の柱として期待する。国内外で幅広く事業を展開する渡邉氏に、BNCT導入の経緯や今後の事業展開についてお聞きした(2013年5月31日にインタビュー。計2回の連載)。 ――BNCT(ホウ素中性子捕捉療法)による癌の治療は、これまでは実験用原子炉で研究的に行われてきました。今回、先生方が導入されるのはサイクロトロンで中性子を発生させるシステム。震災復興もあり、約80億円の総事業費のうち、国と県の補助金として43億円を受けて、来年から臨床試験を...