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「思い切った仮定が前提」、費用対効果評価の限界も

レポート 2013年6月27日 (木)  橋本佳子(m3.com編集長)

中央社会保険医療協議会の費用対効果評価専門部会(部会長:関原健夫・日本対がん協会常務理事)が6月26日開催され、オーストラリアで両心室ペースメーカーについて費用対効果を分析し、公費償還を決定した事例が紹介された(資料は、厚生労働省のホームページに掲載)。 委員からは、費用対効果評価の活用事例として分かりやすい説明だったとの声が上がった一方、長期的な効果は推測する以外にないなど、「思い切った仮定」を置く必要があるほか、新規収載時には十分な先行研究がない場合も多いなど、費用対効果評価の限界が指摘された。さらには医薬品についての事例提示を求める意見も出た。 日本医師会常任理事の鈴木邦彦氏は、「非常にうまくいった事例が提示されたが、うまくいかなかった例があればより参考になる。またぜひ薬の事例も示してもらいたい」と求めたほか、費用対効果は増分生存年に左右されるため、治療対象年齢が高齢の場合にはデータが不利になる可能性もあることから、「高齢化が進んだドイツでは、QALY(質調整生存年)に対するコンセンサスが得られていない。倫理的、方法論的にも問題があるとされた。わが国でもまさにそうだろう」と指摘、...