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“民間版健康保険”が医療現場の混乱招く

オピニオン 2013年7月3日 (水)  桑島政臣(神奈川県保険医協会政策部長)

金融庁は6月7日、報告書をとりまとめ、保険商品の事実上の現物給付の解禁を決めた。これは「直接支払いサービス」という。民間医療保険「商品」を例にとれば保険会社が「提携」する医療機関を顧客に「紹介」し、そこで治療した際に保険金を顧客ではなく、医療機関に支払うものだ。いわば、健康保険の「保険者」が「保険会社」となった民間版「健康保険」となる。我々は、医療現場の混乱、皆保険の形骸化につながる、この金融庁の政策判断に断固抗議するとともに、今後、医療界がこれへの対応、判断で慎重を期すべきだと考え、警鐘する。 金融庁は「直接支払いサービス」は保険金の「代理受領」であり、法律改定は不要と整理。財・サービスの現物ニーズはこれで「全て整理できる」「現物給付に近い方法で提供することが可能」との認識を示し、報告書はその旨を明確化するためのものとした。関連する顧客への情報提供とその体制整備を保険業法改定で盛り込み、2014年スタートに向け環境整備を図るとした。 6月11日には早速、金融庁はホームページに報告書の概要版を掲載(資料は、金融庁のホームページに掲載)。そこには「新しい保険商品の販売」として、「提携事業...