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「トライアルで」と健保連、費用対効果評価

レポート 2013年8月1日 (木)  橋本佳子(m3.com編集長)

中央社会保険医療協議会の費用対効果評価専門部会(部会長:関原健夫・日本対がん協会常務理事)が7月31日開催され、イギリスとドイツの事例が紹介された(資料は、厚生労働省のホームページに掲載)。 イギリスは肺癌に対する分子標的薬の事例で、企業による費用対効果の評価結果と専門家の指摘を踏まえた再評価の結果が異なっていた。また、ドイツの事例では、何を効果指標に用いるかにより評価結果が変わり、価格決定などの際に一つの結論にたどり着くことが難しいことが示された。 全国医学部長病院長会議相談役の嘉山孝正氏は、「医療は複雑系であり、費用対効果評価の指標を少し違えただけで、結果が変わってくることが分かった。日本で評価を行う場合には、どんな効果指標を用いるかが問題になると以前から指摘してきた」と述べ、費用対効果評価の難しさが改めて示されたとした。比較対象となる先行薬がない場合などの評価の難しさも指摘。 一方で、健康保険組合連合会専務理事の白川修二氏は、「(費用対効果評価の)基礎になるデータの信頼性を確保するのはなかなか難しい」ことは認めつつ、「完璧な仕組みを作るのは、最初からは難しいだろう。スタートしてみ...