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刑事裁判は望むところだった - 高本孝一氏に聞く◆Vol.2

インタビュー 2013年8月27日 (火)  聞き手・まとめ:橋本佳子(m3.com編集長)

――1999年12月に事故調査委員会の事故報告書がまとまってから、2002年5月に、業務上過失致死傷罪で起訴されるまでの間は。 その約2年半の間に実施したのが、日本乗員組合連絡会議(日乗連)による独自調査です。ここ(日乗連の事務室がある建物)の1階に月2回、3、4人の機長がフライトの合間に集まっては、いろいろな資料を読みながら、事故原因について議論しました。日本航空の訓練所に行って、シミュレーターで自分たちで再現実験をしてみたり……。 高本孝一氏は、取り調べの担当刑事に、「あなたのように、自分の主張を通す人も珍しい」と言われたという。警察、検察が考えた「機長有罪」のストーリーに、徹底して戦った。 ――他の機長も、同じ状況に陥った時に、どう対応すべきかを知りたかったという事情もあったと思います。 そうです。そうしたこともあって、皆が独自調査に熱心に協力してくれたのです。日乗連としての調査報告書も作成しています。 ――並行して警察、検察の取り調べが行われた。 事故調査委員会の「建議と経過報告書」が出てから間もなく、警察の事情聴取が始まりました。その後、書類送検されたのが2001年3月、それ...