1. m3.comトップ
  2. 医療維新
  3. 刑事捜査と事故調査、分離は不可欠 - 高本孝一氏に聞く◆Vol.3

刑事捜査と事故調査、分離は不可欠 - 高本孝一氏に聞く◆Vol.3

インタビュー 2013年9月3日 (火)  聞き手・まとめ:橋本佳子(m3.com編集長)

――本を上梓されてから約1カ月ですが、反応はいかがでしょうか。 知り合いの新聞記者からも20人くらいから反応があり、何らかの形で活用したいとの声をいただいています。ただ、本に書いたことは、一般の方々の常識から遊離しているのでは、との懸念もあります。多くの方は「責任追及しても、安全にはつながらない」などと考えたことはないのではないでしょうか。むしろ「原因調査は警察が行うもの」と考える人が大部分だと思います。 「事故が起きた場合に、果たすべき“責任”は二つある。説明責任と改善実施責任。今、安全活動に従事しているのは、JL706便事故の当該機長としての責任を果たすため」(高本孝一氏)。 ――事故調査と刑事捜査は分けるべきだと主張されています。両者が一体的に行われることで、航空機の安全が担保されないことが一番の懸念点。 JL706便の事故の場合、事故調査委員会と刑事捜査は、ほぼ一体でやっている感じでした。警察の事情聴取の際、それ以前にあらゆる資料が事故調査委員会から警察にわたっていたようです。我々に明らかにされていないような飛行記録も、警察は皆、持っていました。事情聴取はおよそ1週間おきに2日...