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医療事故と航空事故、共通点は多々 - 高本孝一氏に聞く◆Vol.4

インタビュー 2013年9月10日 (火)  聞き手・まとめ:橋本佳子(m3.com編集長)

――2007年1月の控訴審判決後、安全対策としてはどんなかかわりをされていたのでしょうか。 日本航空の安全推進部に所属し、2010年に定年退職しました。また、医療界の方を対象に講演する機会もありますが、航空事故の例を基にお話すると、比較的理解していただけるようです。 「安全対策にはお金をかけないと、かえって高負担を強いられることになる」と語り、安全対策の重要性を強調する高本孝一氏。 航空の分野で発達した安全管理の手法は、医療分野でそのまま適用できると考えています。これまでお話した事故原因究明の概念もそうです。従来は、「事故を起こした人が悪い」として、その人を罰して、一件落着としていた。しかし、その原因を突き詰めていくと、最終的には国・行政の監督までさかのぼるいろいろなファクターがあります。これを全て調べていくことが必要です(図2、文末)。 ――いずれも一人の人間のエラーだけで発生する可能性が少ない。 いわゆるシステム性のトラブルが多いのです。例えば、手術時に鉗子やメスなどを、本来使わない場面で使い、何らかの事故に結び付いたとします。それ自体の問題もさることながら、その病院では皆がそのよ...