安全・事故対策のカギはトップの理解 - 高本孝一氏に聞く◆Vol.5
インタビュー
2013年9月17日 (火)
聞き手・まとめ:橋本佳子(m3.com編集長)
――JL706便事故の場合は、日航社内の調査は行われていなかったとお聞きしています。医療事故の場合、まず当該医療機関の調査を基本にする仕組みが検討されています。航空業界では現在、この辺りはどうなっていますか。 「The captain who refused to give up」。事故から無罪判決までの約10年間、高本孝一氏を勇気を与え続けてくれた言葉だという。 航空業界では、航空法で、各社に「安全管理者を置かなければならない」とされています。安全管理者は大抵、副社長クラス。副社長は経営にももちろん関与しますが、安全管理者の立場で仕事をする際には、経営とは独立して考え、行動することが求められます。損得勘定を抜きにして、「いいことはいい」「悪いことは悪い」と言わなければいけない立場の人です。実際の運航業務を行うライン部門とも、安全管理者がいる「安全推進部」は独立しており、各種安全情報を収集、分析して、現場への周知徹底や改善方法を提示するのが日々の仕事です。 この「安全推進部」は、ゼロとは言いませんが、会社との利害関係は非常に薄い。「私たちが独立してモノを言うから、会社は安全を保てる」「...
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