著書の評価、賛否分かれる - 武内氏・山本氏に聞く◆Vol.4

――この著書が出版されてから、まだ1カ月ほどですが、改めて反響などをお聞かせください（インタビューは7月29日に実施）。 武内 プラスの反響は、とにかく分かりやすいということ。特にこれまで医療にあまり関心がなかった人からは、「医療のメカニズムを知るのに参考になった」などの声を聞きます。「こうしたアプローチで医療を考えることができるのか。新たな発見になった」といった意見もあります。 マイナスの評価は、やはり「総論で止まっている」ということ。「難しいのは、具体的にどう改革を進めるかだ」という指摘です。もう一つは、「やや上から目線で書いている」といった声です。部分最適が進められていても、システム全体を鳥瞰すると、非常に不整合、非効率を起こしているのではないかという私たちの問題提起に対し、「現場の苦労を分かっていない」という反応も寄せられています。 全方位に“突っ込み”を入れているので、各方面から礼賛されることはないとの覚悟はありました。医療に携わっていない人からは評価を受けても、現に関わっている人の中には、「おもしろくない」と思われた方もいるかもしれません。そうした点は、半ば覚悟しながら、そ...