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「われわれはむしろ被害者」、大阪市大が調査報告書

レポート 2013年8月23日 (金)  池田宏之(m3.com編集部)

大阪市立大学は8月22日、降圧剤「バルサルタン」を巡る論文問題で同大の調査委員会の報告書を公表した(報告書は、同大のホームページに掲載)。論文に名を連ねていた降圧剤販売元のノバルティスファーマ社の元社員は、同大の「非常勤講師」の肩書を使っていたが、同大への臨床研究参加の相談はなく、当該論文についての大学の倫理委員会への申請も見当たらなかった。 元社員の所属は、「産業医学教室」だったが、論文では存在しない部署名を名乗っていたことも判明。同大は、今回の問題が発覚するまで、「非常勤講師」の実態を把握していなかった不備を認めた上で、「われわれは被害者」と主張した。ノバルティス社の関与については「会社ぐるみ」と判断し、厳しく指弾し、臨床研究を実施した大学、元社員、ノバルティス社の3者に抗議して、謝罪を求める予定。 大学の財政事情の厳しさにも言及した、大阪市立大大学院医学研究科長の荒川哲男氏。 元社員、大阪市立大での講義は1回だけ 大阪市立大によると、元社員は、同大の産業医学教室の無給の非常勤講師として、2002年4月から2013年3月まで在籍。大学側は「統計の専門家で、この分野では数少ない専門家...