1. m3.comトップ
  2. 医療維新
  3. 約670億円の剰余金、「将来の掛金に充当」

約670億円の剰余金、「将来の掛金に充当」

レポート 2013年8月31日 (土)  橋本佳子(m3.com編集長)

産科医療補償制度の運営委員会(委員長:小林廉毅・東京大学大学院医学系研究科教授)が8月30日に開催され、2009年の制度開始からの5年間で約670億円に上ると試算される剰余金の取り扱いを議論、同制度を運営する日本医療機能評価機構は「将来の掛金に充当する」案を提示、おおむね委員の支持が得られた。剰余金が多額に上るのを受け、保険者から掛金(保険料)の2014年1月からの見直しを求める声が上がっているが、分娩機関の混乱を避ける目的などから当初の予定通り2015年1月から見直す方針でほぼ合意した。 委員長の小林廉毅・東京大学大学院医学系研究科教授は、剰余金を「将来の掛金に充当する」ことについて、法的に問題がないか、厚労省と確認するよう求めた。 剰余金が多額に上っているのは、補償対象の重度脳性麻痺を年500~800人と推計して制度設計したが、現実には下回っているため。前回会議で年481人(95%信頼区間340~623人)との新推計が提示された(『産科補償、年120億~140億円の剰余金』を参照)。これを基に、日本医療機能評価機構は2009年からの5年間の剰余金は、約670億円に上ると試算。剰余金...