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真相究明遠い降圧剤論文問題

レポート 2013年9月3日 (火)  池田宏之(m3.com編集部)

降圧剤「バルサルタン」の論文不正問題で、厚生労働省の「高血圧症治療薬の臨床研究事案に関する検討委員会」(委員長:森嶌昭夫・名古屋大学名誉教授)の第2回会議が、9月2日に開かれた(資料は、厚労省のホームページに掲載)。 降圧剤販売元のノバルティスファーマ社、京都府立医科大学、東京慈恵会医科大学の3者からヒアリングを実施したが、データ解析をはじめ、臨床研究へのノバルティス社の元社員の関与を巡って、ノバルティス社と、2大学の主張は食い違ったまま終了。 日本の利益相反(COI)の意識の遅れも露呈した。1999年に遺伝子治療薬を巡って発生した米国のゲルシンガー事件を受けて、2000年のヘルシンキ宣言には、COIの開示を求める項目が盛り込まれていることに言及し、「日本はCOIの意識が薄かったのではないか」とする意見も出た。 今後、調査の効率化を図るために、「京都府立医大」「慈恵医大」「ノバルティス社」の3つのチームに分けた上で、調査を進める方針。ノバルティス社の元社員や論文の責任者への聞き取りも予定されているが、公開で実施されるかは不明。 さらに、今後の進め方の議論では、「真相を極力究明すべき」と...