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15年遅れの日本のCOI管理

2013年9月4日 (水)  池田宏之(m3.com編集部)

降圧剤「バルサルタン」の論文不正問題をめぐって9月2日に開かれた、厚生労働省の「高血圧症治療薬の臨床研究事案に関する検討委員会」(委員長:森嶌昭夫・名古屋大学名誉教授)の第2回会議(「真相究明遠い降圧剤論文問題」参照)。この日は、利益相反(COI)管理について、「日本のCOI対策は15年遅れている」といった意見が出たほか、日本の臨床研究における、COIに違反した場合の罰則や品質管理の甘さも指摘された。 医療者向け広告も規制する米仏 臨床試験について、日本の制度と、米国、英国、フランスとの比較資料を提示したのは、国立がん研究センター企画戦略局長の藤原康弘氏。日本以外の3カ国は、「治験」と「臨床研究」が分かれておらず、全ての研究が国の法律等で規制がかかっているが、日本の「臨床研究」だけが、厚労省の「臨床研究に関する倫理指針」が根拠となっていて、法的な規制がない。他にも、日本の臨床研究は、データの品質管理が求められておらず、COIルール違反による罰則もない。また臨床研究の結果を医療者向けに広告する際、米国やフランスでは事前審査を含めた規制が導入されている。 藤原氏は、日本以外でCOI管理が厳...