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ランセット誌がJHS論文を撤回

レポート 2013年9月6日 (金)  池田宏之(m3.com編集部)

英ランセット誌は、最新の9月7日号で、東京慈恵会医科大学で実施された降圧剤「バルサルタン」に関する臨床研究、Jikei Heart Studyの2007年4月に掲載された論文について、撤回することを発表した。ランセット誌は、慈恵医大や降圧剤販売元のノバルティス・ファーマ社の本社ノバルティス(スイス)の報告に基づいて、「JHSの完全性と、統計担当者の所属の不明瞭さには、撤回するだけの十分な疑いがある」と指摘している。 ランセットによると、JHSについては、2007年の論文発表直後から、京都府立医科大学のKyoto Heart Study(2009年のEuropean Heart Journal など、主要論文は撤回済み)と、複数の著者が共通していることなどについて「懸念があった」としている。2011年には、平均血圧の標準偏差が似通っていることへの指摘があり、いったんは論文著者からの返答で納得したが、2012年に京都大学循環器内科助教の由井芳樹氏からさらなる懸念が示された。 同誌は、論文を撤回を判断するに当たり、主に、慈恵医大とノバルティス本社からの聞き取りを実施。慈恵医大で内部調査を実施...