ショパンの死因は結核ではないかも
オピニオン
2013年9月6日 (金)
倉原優(呼吸器内科医)
・はじめに フレデリック・ショパン(Frederic Chopin)(1810年~1849年)はロマン派の代表的な作曲家であり、ご存知のように数多くのピアノ曲を残しています。誰もが耳にしたことがあるメロディアスな曲をいくつも書いていますが、後期の円熟した作風を聴けば聴くほど、39歳という若さで死去したことが惜しまれてなりません。 個人的にはバラード、スケルツォ、ポロネーズあたりの後期の作品が好きで、20代の頃はこういった曲を頑張って弾いていました。また彼はピアノ協奏曲も残しており、ショパンコンクールでは必ず演奏される曲目として知られています。私としては、ショパンの素晴らしさは後期のピアノ独奏作品にこそあると思っているので、彼のオーケストレーションをあまり高く評価していません。 ・ショパンの死因は結核なのか ショパンは公式(誰が決めた公式かは分かりませんが)には、結核で死亡したとする説が一般的です。しかしながら、確かに当時結核は流行していたものの、短絡的な結核という診断はおかしいという意見が多くみられるようになりました。 ショパンを診察した医師の記録によれば、彼は階段の昇り降りだけで強い...
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