情熱が技術革新の最大の原動力
オピニオン
2013年9月11日 (水)
佐藤伸彦(ものがたり診療所所長)
電子カルテと多職種情報共有という事で、簡単な文章を頼まれたので書いてみました。 イノベーションは「革新」とか「刷新」と言われている。科学は日々進歩し、多くの新しい技術が生まれているのだろう。しかし、イノベーションを起こすためには技術だけではどうにもならない。そこに現場、臨床の智慧、真剣に取り組むからこそ見えてくる壁を乗り越えようとする情熱がイノベーションの最大の原動力になる。皆が、便利になったなぁー、と感じる事である。そのために、多くの科学技術が使われていようと、それは黒子のように見えなくていい。技術は目的ではなくあくまでも手段であるべきなのである。 電子カルテは今そのイノベーションの渦の中にある。インフラ整備をして、大病院のカルテ同士を結び、診療所からもアクセスできるような事は多額の税金を使って行われてきているが、イノベーションにいたらない。私はまだ、総合病院からのデジタルであったはずのアナログ印刷物を、もう一度デジタル化(手書き、OCR)するという実に無駄な作業を日々繰り返している。また、そうしたネットワークに、医師以外の多職種の方々は気軽には入っていけない。いったとしても医療用語...
m3.comは、医療従事者のみ利用可能な医療専門サイトです。会員登録は無料です。