1. m3.comトップ
  2. 医療維新
  3. 首相はIOC総会の「国際公約」に責任を

首相はIOC総会の「国際公約」に責任を

オピニオン 2013年9月11日 (水)  全国保険医団体連合会理事会

安倍晋三首相は9月7日、2020年夏季五輪の開催地を決めるIOC総会のプレゼンテーション及び記者会見で、福島第一原発の汚染水問題について、「状況はコントロールされている」「影響は福島第一原発の港湾内 0.3 平方キロの範囲内で完全にブロックされている」「健康問題については今までも現在も将来もまったく問題ない」と述べている。 しかし、漏洩した汚染水は、ストロンチウムなどの放射性物質を含む高濃度汚染水で、どこにどれだけ流出したか不明である。既に、福島第一原発からは放射性物質で汚染された地下水が海へ流出し続けており、「国家的非常事態」とも言うべき極めて深刻な事態が生じていることは周知の事実である。健康への影響については、事故当時18歳以下の、約36万人を対象に実施している福島県民健康管理調査で、これまでに結果が判明した21万7000人のうち、「甲状腺がんあるいはがんの疑い」との診断が44例に上るなど、将来への健康不安は解消されていない。 こうした状況をふまえれば、安倍首相の発言には違和感を禁じ得ず、福島の漁業関係者らから怒りの声が出ているのは当然である。同時に、安倍首相の発言はまさに国際公約...