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医療大転換のカギ、それは家庭医 - 葛西龍樹・福島県立医大地域・家庭医療学教授に聞く◆Vol.1

インタビュー 2013年9月18日 (水)  聞き手・まとめ:橋本佳子(m3.com編集長)

「この機を逃すと、何十年も総合診療医、家庭医が制度化されるタイミングが来ないかもしれない」。こう語るのは、福島県立医科大学地域・家庭医療学講座教授の葛西龍樹氏。総合診療、家庭医療の我が国の第一人者で、この分野の世界的なネットワークを持つ葛西氏は、「福島を家庭医療のメッカにしたい」との抱負を語る。 その葛西氏がこの8月に出版したのが、『医療大転換―日本のプライマリ・ケア革命―』(ちくま新書)。総合診療医を専門医として位置付ける動きが本格化する折、「総合診療医、家庭医が活躍すれば、日本の医療はより良いシステムになると思い、少し急いで出版した」と語る葛西氏に、本書に込めた思いなどをお聞きした(2013年9月3日にインタビュー。計5回の連載)。 ――今日(取材日は9月3日)から、家庭医の養成が進んでいる国の一つ、キューバに行かれるそうですが。 ハバナ医科大学の教授のコーディネートで、キューバのプライマリ・ケアの仕組みを見てくる予定です。キューバでは、革命家チェ・ゲバラが家庭医だったこともあって、「国民1人に付き、1人の家庭医を作る」といったスローガンを掲げ、財政的にはあまり余裕はないので、あま...