医学生の学力低下が顕著、医学部定員増を機に
レポート
2013年9月19日 (木)
橋本佳子(m3.com編集長)
全国医学部長病院長会議は9月19日の記者会見で、「医学生の学力低下問題に関するアンケート調査結果2013年」を公表、2008年度の医学部の入学定員増を機に、留年者、休学者、退学者がいずれも増えており、多くの教員が医学生の学力低下を実感している実態が明らかになった。2008年度以降、2013年度までの間に1416人の入学定員増を図っているが、実際の医師免許取得者は、定員増分ほどには増加が見込めない状況になっている。 全国医学部長病院長会議の顧問で、北里大学名誉教授の吉村博邦氏。 同会議の顧問で、北里大学名誉教授の吉村博邦氏は、「学力以外にも、社会性の乏しい学生や、精神的な問題を抱えた学生などが増えていることも指摘されている。今後、少子化の進展により、医学部入学の門戸はさらに広がることが予測される。これ以上の医学部定員増あるいは医学部新設は、医学生の資質の一層の低下を招く恐れがあり、教員の負担増も強く懸念される」と述べ、今後の入学定員増をけん制した。 調査は、全国の80大学医学部・医科大学の医学部長もしくは教育担当責任者を対象に実施、2012年4月から2013年4月の在籍学生について調べた...
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