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家庭医の理解深める絶好のタイミング - 葛西龍樹・福島県立医大地域・家庭医療学教授に聞く◆Vol.2

インタビュー 2013年9月25日 (水)  聞き手・まとめ:橋本佳子(m3.com編集長)

――従来の医療は急性期疾患が中心で、医療を行えば、「治る」時代だった。これに対し、超高齢社会の21世紀は、急性期治療後もリハビリが必要だったり、複数の疾患を抱える患者が多い。今こそ、プライマリ・ケアシステムが必要とされている。 葛西龍樹氏によると、医学生や研修医の間では、「家庭医の専門医を目指す」など、「家庭医」という言葉が使われるようになっているという。 実は私は、もともと3部作を書きたかったのです。1作目は、2002年の『家庭医療―家庭医をめざす人・家庭医と働く人のために』という本です。家庭医が育っていない日本において、家庭医を目指す人たちに対し、家庭医とはどのようなものか、目指すことにどれだけ意義があるのかをまとめました。家庭医のことを知らない他科の専門医や看護師などの医療者には、家庭医を目指す人たちを温かく見守ってほしかったので、こうした人たちにも家庭医のことが分かるような総論にしました。 次に、家庭医を目指した人が、具体的にどのような診療を行うのか、それぞれの問題別に家庭医の診療マニュアルを作る必要があった。これが2作目で、2005年に『スタンダード家庭医療マニュアル―理論か...