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10年で1000人の家庭医養成は可能 - 葛西龍樹・福島県立医大地域・家庭医療学教授に聞く◆Vol.3

インタビュー 2013年10月2日 (水)  聞き手・まとめ:橋本佳子(m3.com編集長)

――制度改革は、教育や研修が要になるとのことですが、日本プライマリ・ケア連合学会が認定している後期研修のプログラムは約160あります。 けれども、世界で家庭医が果たしている役割を、本当に理解している施設はそう多くはありません。ぜひ理解し、プライマリ・ケアができる医師を育ててもらいたい。最初は全国で5つくらいの大拠点を作り、2年間のカリキュラムによって、各5人のレベルの高い指導医を養成する。そういう指導医から教えてもらう機会を作る。これは大きな病院を建てるよりも、全然お金がかからない。毎年25人ずつ誕生する指導医たちが、全国の25の中拠点で、3年間のカリキュラムで家庭医を毎年10人ずつ養成する。その4年後には中拠点を100に増やす。このように取り組んでいけば、数千人の家庭医の養成がここ10年間くらいで可能になります。 葛西龍樹氏によると、家庭医や総合診療医に対する臓器別専門医の反応は、二つに分かれるという。「非常に専門分化した、専門レベルが高い先生の多くは、家庭医に賛成される」(葛西氏)。 ――5つの拠点における指導医養成は、既に日本で活躍されている人のほか、海外から招へいして行う。 世...