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医療費の膨張要因は薬剤費の高騰

オピニオン 2013年10月2日 (水)  全国保険医団体連合会

2012年度の概算医療費は38兆4千億円と10年連続で過去最高を更新し、40兆円を超えるのも時間の問題となっている。その要因はどこにあるのか。厚生労働省が公表している概算医療費データベース(メディアス)の制度別医療機関種類別医療費と社会医療診療行為別調査(e-stat)をもとに、2000年度から2012年度までの12年間における概算医療費の推移を薬剤費の動向を中心に分析した。 概算医療費は2000年度から2012年度までの12年間で9兆円増加した。内訳を施設種別でみると、病院と調剤薬局がそれぞれ約4兆ずつ増加、診療所の伸びは1兆円であり、歯科の伸びは1千億円にすぎない。 入院外医療費(病院、診療所の外来+調剤薬局)は5兆5千億円増加している。中でも調剤薬局は2兆8千億円から6兆6千億円と倍増している。調剤薬局の増加は主に薬剤費の増加によるものである。 入院外医療費の伸びの55%は薬剤費(3兆円)であり、調剤薬局技術料等の8千億円と合わせると3分の2が薬剤関係によって占められる。外来では検査・画像診断が8千億円、人工腎臓(透析)が5千億円を増加し、これらを除いた外来本体部分の増加は2千億...