財政再建の第一歩は消費増税の中止
オピニオン
2013年10月3日 (木)
住江憲勇(全国保険医団体連合会会長)
10月1日、安倍首相は消費税率を予定通り、来年4月に5%から8%へ引き上げる方針について正式表明した。私たち医師・歯科医師は、増税に伴う生活負担増により受診抑制をさらに広げ、国民のいのちと健康を危機に陥れるものとして、消費税増税の判断に抗議するものである。 首相は、判断の基としてデフレマインドの変化を上げるが、依然として、内需の6割を占める肝心の個人消費は停滞している。サラリーマンの基本給は14ヶ月連続で減少し、年収も1997年の446万円をピークに約70万円低下している。8兆円に及ぶ増税に国民生活が耐えられないことは明らかである。とりわけ、被災者の暮らし・事業の再建に計り知れない打撃を与える。 政府は、社会保障のための増税としてきたが、生活保護をはじめ医療・介護・年金など社会保障全般の削減・負担増が計画されている。一方、政府は、増税に伴う「景気腰折れ」対策を口実に、復興特別法人税の廃止の前倒し検討などを含む5兆円規模の経済対策を進め、さらに法人実効税率も引き下げようとしている。減税の恩恵は大企業に集中し、これまで以上に内部留保が積み増しされる。所得の低い者ほど過酷な増税をし、社会保障...
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