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「やってみなわからんばい」

オピニオン 2013年10月4日 (金)  欠畑誠治(山形大学耳鼻咽喉・頭頸部外科学講座教授)

2012/2013のヨーロッパクラブチャンピオンを決めるチャンピオンズリーグ準決勝で、世界最強と考えられていたFCバルセロナが、ドイツのバイエルンによもやの0-7(2戦合計)で敗退しました。自分たちがボールを持っている限り点を取られることはないというポゼッション重視の考えや、世界一のスーパースターであるメッシを最大限に生かすための偽トップの導入など、革新的な戦術を掲げたバルセロナの時代が終わりました。 サッカーとは『たゆまざる革新』であると言えます。 耳科手術の偉大なるinnovatorであり、“Father of Neurotology”と言われたWilliam Houseが昨年亡くなりました。今年4月のアメリカ耳科学会でそのtributeが行われ、多くの会員の賞賛に包まれました。しかし、彼の自伝「The Struggles of a Medical Innovator.Cochlear Implants and Other Ear Surgeries」にあるように、耳科手術に幾多の革新を持ち込むたびに彼に与えられたのは、賞賛ではなく非難の嵐でした。1950年代、アメリカにいち早く双...