短期利益だけの追求、それがTPP
オピニオン
2013年10月4日 (金)
中目千之(山形県医師会常任理事)
7月下旬にコタキナバル(マレーシア)で開催されたTPP(環太平洋経済連携協定)交渉に日本は初めて参加した。しかし、その後、まったくと言っていいほど、メディアはこの中身を報じていない。ということは我々国民も全く知りえていない。経済界も政府筋に説明をうけたが、アウトラインだけである。TPPは徹底した秘密交渉となっている。国益をかけた交渉事であるので当たり前といえば当たり前かもしれない。 アメリカはホワイトハウスが米(アメリカ)財界の意見を聞きながら、議会にほとんど報告せずにすすめており、日本では外務省、経産省を中心とした官僚が首相官邸と直結して事を進めている。下手に交渉内容がもれると、国益、国権が侵害されていることを知ったメディアや国民が騒ぎ出し、交渉反対の大合唱の前にTPP交渉が前に進まなくなってしまうからで、TPPは完全秘密交渉となっている。さらに、TPP妥結後4年間は詳しい交渉内容は公表しない約束になっている。つまり、これからのTPPは国民に議論の材料を提供することなく秘密裏に交渉されて、ある日突然一方的に内容が公表される。途中で離脱するなどのストーリーははじめから無いのである。 ア...
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