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「保険あって介護なし」でいいのか

オピニオン 2013年10月8日 (火)  北海道保険医会

社会保障制度改革国民会議は8月、介護保険の要支援者に対する現行の予防給付を市町村事業に段階的に移行させる案を示した。これまで改定ごとに保険給付の削減や軽介護者の切り捨てが行われており、これ以上の「介護外し」は看過できない。 介護保険制度は2000年度から導入され、介護給付を受けるためには介護認定が必要となる。制度発足当初、介護度は要支援と要介護1~5の6段階であり、前者は介護保険施設の入所はできないが、後者と同様の介護サービスを受けることが可能であった。 2006年度改定で、それまでの介護1は「認知機能低下」と「状態不安定」のいずれにも該当しない場合に新設の要支援2と判定されることになる。また要支援者は市町村が委託あるいは直轄の地域包括支援センターでケアプラン作成を行うことになり、事実上介護度の軽症化とサービス利用の制限がなされた。 介護度は施設入所者に対する調査結果を使い、「介護にかかる時間」で一次判定される。2009年度改定ではこの「一次判定ロジック」を変更し、介護度の軽症化を画策した厚労省が世論の厳しい批判を浴びている。 一方、新たな「地域包括推進事業」を行う市町村の受け入れ体制...