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データ操作への元社員の関与、矛盾点多いまま

レポート 2013年10月9日 (水)  池田宏之(m3.com編集部)

降圧剤「ディオバン」を巡る論文不正問題で、厚生労働省の「高血圧症治療薬の臨床研究事案に関する検討委員会」(委員長:森嶌昭夫・名古屋大学名誉教授)は10月8日に中間とりまとめを公表したが、研究を実施した大学の研究責任者と、降圧剤の販売元のノバルティスファーマ社の元社員らの見解が食い違う点は、ほとんどがそのまま中間とりまとめに盛り込まれ、データの意図的操作の実施者や、データ操作の目的などの矛盾点は明らかにならないままだった(『スイス・ノバ社長が謝罪、「臨床研究の信頼性損なう」』を参照)。 今後も検討委員会は開催される見込みだが、真相究明については、委員長の森嶌氏は、「再発防止につながる可能性のあるヒアリング」は実施するとしたものの、真相究明のみを目的としたヒアリングなどには消極的で、来年秋までの限られた時間の中で、再発防止策を具体化する必要もある。真相究明を求める声は根強い中、今後どこまで踏み込めるかは不透明な状況だ。 中間とりまとめの時点で、検討委員会が聞き取りを実施したのは計5人。東京慈恵会医科大学のJikei Heart Study、京都府立医科大学のKyoto Heart Stud...