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住民の思考停止で医療は崩壊する

オピニオン 2013年10月16日 (水)  村上智彦(ささえる医療研究所理事長)

最近、北海道のある地域の自治体病院で医師の辞職が決まり話題になっています。 正直、「またか」という思いですが、冷静に考えると「仕方ない」とも思っています。 マスコミは相変わらず住民の不安の声を拾い上げては道や国、あるいは辞めていく医師を批判し、何の解決にもならない報道を続けるだけです。 全国的にもそうかもしれませんが、北海道の地方では殆どの地域で人口が減って、高齢化が進んでいます。 考えてみますと、日本全国の人口が減っているのですから、理由もなしに地域の人口が増える訳もありません。反対に札幌などの中心都市に人口が集中しているというのが現状だと思います。 一方で、北海道は人口当たりの病床数は本州より多い状態が明治時代から続いています。意外に聞こえるかも知れませんが、北海道には病院が多く、昔の北海道の医療政策は「1つの町に100床の国保病院を作る事」だったので、人口にあまり関係なく、北海道では田舎に行っても案外大きな自治体病院が沢山ありました。 「北海道は寒くて広いから」と言えば妙に納得するのですが、寒くて広い地域は北海道だけではありませんし、交通機関が整備されて都市部の病院に通う人は昔よ...