がん研、30億円の黒字転換した経営のプロ - 石田忠正・前がん研究会常任理事に聞く◆Vol.1
インタビュー
2013年10月29日 (火)
聞き手・まとめ:橋本佳子(m3.com編集長)
がん研有明病院を核とし、100年以上の歴史を持つ、公益財団法人がん研究会(東京都江東区)。日本のトップクラスのがん医療を誇るが、最近の経営は赤字続きだった。2007年には粉飾決算問題も明るみに。2005年の現在地への移転に伴う多額の借金も抱え、苦境にあったがん研の経営を、2011年から常任理事・理事長補佐の立場で立て直したのが石田忠正氏だ(現がん研究会非常勤理事、現日本貨物鉄道会長)。日本郵船副社長、日本貨物航空社長を歴任し、日本郵船時代の上司、草刈隆郎氏(現がん研究会理事長、元日本郵船社長)とともに、企業の経営改革手法を活用した改善活動に取り取り組んだ。2009年度までは長年赤字だったがん研の最終損益は、2012年度は32億円の黒字にまで好転している。 「トップダウンとボトムアップ、これら両方がないと経営は成り立たない」と語る石田氏。企業経営者の視点を踏まえながら、改革の軌跡をお聞きした(2013年10月18日にインタビュー。計4回の連載)。 ――この数年、がん研究会は経営改善を進め、各種経営指標も改善しています(表1)。石田様は2011年1月に、他業界から来て、がん研究会の経営に携...
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