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財務省のマイナス改定案は暴論

オピニオン 2013年11月7日 (木)  桑島政臣(神奈川県保険医協会政策部長)

診療報酬改定を巡り財務省サイドよりマイナス改定の発言が連続している。次期改定は、「一体改革」の本格的な実施となる。「施設から地域」「医療から介護」の方針の下、国策の地域包括ケアの体制整備に向けたものとなる。その中心に座る診療所の主治医機能が早くも中医協議論の焦点となっている。診療所の役割が重要となる。しかし、2012年度の1診療所の医療費は、内科をはじめ悪化傾向にある。前回は改定率プラス0.0%であったが、薬価の枠外引き下げもあり、実質10年連続のマイナス改定である。消費税「損税」の肥大に重ねたマイナス改定では、地域医療の基盤が脆弱となり、政府の企図さえも水泡に帰す。我々は地域医療を守るためプラス改定を強く求める。 診療報酬の改定率は前年の総医療費に高齢化の伸び率など自然増を見込んだ「土台」に対し設定される。しかし、財務省の新川主計官は、薬価分は実勢価格に調整幅2%の上乗せが土台だと見解を示し、従来ルールを歪曲。来年度予算で既に認められた9900億円の自然増を過大とした。また財政制度等審議会・財政制度分科会も診療報酬本体のプラス改定を否定する声が続出している。 これらは暴論である。そも...