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看護師の“底上げ”が目的 - 有賀徹・昭和大学病院長に聞く◆Vol.2

インタビュー 2013年11月13日 (水)  聞き手・まとめ:橋本佳子(m3.com編集長)

――改めてお聞きします。現在は現場で個別に対応している部分を、制度化する意義はどこにあるとお考えですか。厚労省は当初は「特定看護師」という形での資格化も想定していました。全体の底上げという意味で必要だったのでしょうか。 「今やっている人」はいいですが、「今やっていない人」にもやってもらいたい、そのためには何らかの仕組みがなければ、「底上げ」にはならないのです。 有賀徹氏は、極めて現場に近い人が霞が関にいれば、看護師の業務範囲の拡大をめぐる議論も変わったと見る。 話が難しくなったのは、米国のナース・プラクティショナー(Nurse Practitioner;NP)が念頭にあり、「ナース・プラクティショナーがどんどん仕事をするようになると、自分たちの仕事はどうなるのか」と考える医師たちがいたからでしょう。 ――ナース・プラクティショナーと、今回制度化される予定の、医師の包括的指示で「特定行為」ができる看護師との一番の違いは何でしょうか。 ナース・プラクティショナーは、ドクターの指示を受けなくても、一定の行為ができる。この点が大きな違いです。日本の医師法と保助看法の世界では、「診療の補助」は、...