医療はアベノミクスの一翼を担う - 石田忠正・前がん研究会常任理事に聞く◆Vol.4
インタビュー
2013年11月19日 (火)
聞き手・まとめ:橋本佳子(m3.com編集長)
――医療以外の業界の経営も経験されてきた中で、医療界の違い、特性は何だとお考えですか。 医療者は、非常に一人ひとりが真摯、健全で、献身的。仕事に向かう姿勢が非常に真面目。専門性も、平均的な知的レベルも高い。この辺りが普通のビジネスパーソンとは違う点です。 その一方、一般企業では人事ローテーションがあり、上も下の職員も異動しますが、医療界は縦社会であり、横の他の組織との交流が少ない。職種を超えて、いかに組織全体を動かしていくかという意識が弱く、その仕組みにも欠ける。一人ひとりはとても立派なのに、組織として弱いのです。 コスト、経費に対する意識も乏しいことが多い。「経営」は、お金儲けだけが目的ではなく、人のマネジメントをはじめ、より広い意味があります。例えば、20年も前の古い機器を使っていたとします。しかし、経営が悪ければ、更新できない。利益が上がるようになれば、最新の機器も購入でき、設備も更新できる。より多くの職員を雇用し、医療の質を高めることができるようになります。 石田忠正氏は、「日本の医療は最高水準だと言っても、東南アジアの国々にどんどん追い付かれる」との危機感を募らせる一方、「今...
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