理解得られず、辛く嫌な思いも - 有賀徹・昭和大学病院長に聞く◆Vol.3
インタビュー
2013年11月20日 (水)
聞き手・まとめ:橋本佳子(m3.com編集長)
――日本と米国では、医療の成り立ち、制度などさまざまな違いがあります。今の日本において、ナース・プラクティショナーは必要だとお考えですか。 それはどうでしょうか。救急の看護師さんなどと話をすると、「最終的には医師が責任を持ってくれないと、仕事ができない」と言っていますね。 「生理学」と言っても、医学と看護学では視点が異なるため、「特定行為」の研修に当たっては、医学の生理学をプログラムに入れる必要性を説明しても、なかなか分かってもらえなかったという。 ――「仕事ができない」というのは。 看護師としての仕事はするけれど、最後は「傘の中に入っていたい」と考える。患者さんたちもそう思っているから。例えば、入院したとします。療養の世話をするなど、主に身の回りにいるのは看護師さんですが、患者さんは、全てを看護師さんがやっているとは思わず、「主治医の先生が診てくれている」と考える。 ――それが日本の医療の文化であり、基本的には医師に全責任が行くのが現状。 そうです。「あまり難しくない病態であれば、看護師さんの方がやさしく、よく診てくれて、なおかつ(医療費は)安い。だからそちらの方がいい」という国民が...
m3.comは、医療従事者のみ利用可能な医療専門サイトです。会員登録は無料です。