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次なる課題は「本当のチーム医療」 - 有賀徹・昭和大学病院長に聞く◆Vol.4

インタビュー 2013年11月27日 (水)  聞き手・まとめ:橋本佳子(m3.com編集長)

――「特定行為」を実践する難しさは、手技よりも、「この患者さんに適用していいか」という判断の部分にあると思います。医師の思考過程を理解しないと、判断ができない。 手技について言えば、例えば、気管挿管は、昔は苦労していましたが、今はビデオ喉頭鏡を使えば、大抵1回でできるでしょう。 この3年半の間、厚労省の試行事業で、「特定行為」の研修を受けた看護師が、国立病院機構などの病院で働くようになっています。彼ら、彼女たちは、「(特定行為は、行為としては)できる。だけど、この患者さんだと危ないので、自分としてはできかねる」などという判断をしています。 「皆が相互乗り入れできる的に勉強できる体制を作るとともに、身分法を変えて、仕事全体の流れを変えて行くことが必要」(有賀徹氏)。 ――「できる」ことと、「できない」ことの見極めができる。 看護では、「この気管挿管により、患者さんにどんなメンタルおよびフィジカルなストレスを生じるか」ということを勉強しても、「この患者に、気管挿管が必要か否か」という点までは勉強しない。けれども、こうした判断をするのであれば、医師の考える道筋についての理解をある程度、共有す...