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「真相究明なくして、再発防止なし」、ディオバン問題

レポート 2013年11月13日 (水)  池田宏之(m3.com編集部)

「現場からの医療改革推進協議会」の第8回シンポジウムが11月9、10日に開催され、降圧剤「ディオバン」の論文問題を始めとする論文不正や対策が、テーマの一つとして取り上げられた。厚生労働省の検討委員会の取りまとめでは、真相を明らかにできないまま、再発防止策等が提言されていたが、演者からは「真相を究明しないと再発防止はできない」との指摘が出た。 匿名告発への対応も求める 「論文ねつ造」と題して講演したのは、ナビスタクリニック立川(東京都立川市)の内科医、谷本哲也氏。谷本氏は日本における論文ねつ造が多い点を指摘した上で、ディオバンの問題に言及。データの改ざんの疑いが出ている東京慈恵会医科大学のJikei Heart Studyや京都府立医科大学のKyoto Heart Studyについて、「ディオバンは現在までに1兆円以上売り上げたが、論文が売上に貢献した」と指摘。その上で、大規模な臨床研究にも関わらず、JHSやKHS、千葉大学のVART試験の3つでは、ディオバン投与した後の試験群と対象群の収縮期血圧の差が、ほとんどない結果となっている不自然さにも言及した。 厚労省の検討委員会の取りまとめに...