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「近藤誠現象」は検証の必要あり - 長尾和宏・長尾クリニック院長に聞く◆Vol.3

インタビュー 2013年12月3日 (火)  聞き手・まとめ:橋本佳子(m3.com編集長)

――「医療否定本」は、医学の進歩の否定につながり、患者は恩恵を受けられなくなる。 そうです。遺伝子検査による、オーダーメイド抗がん剤治療。乳癌の分子標的薬トラスツズマブは、「HER2陽性の乳癌」の治療です。臓器別ではなく、遺伝子別の抗がん治療が行われるようになっています。がんだけでなく、アルツハイマー病など多くの病気の原因遺伝子が簡単に分かる時代です。 長尾和宏氏は、「近藤誠現象から見えるもの、学ぶもの」に関心があると言い、Amazonに書かれている近藤誠氏の本の読者のレビューを一読することを勧める。 各種疾患の発症が予測できるようになりつつある今、、遺伝子カウンセリングに対応できるのか、という問題も生じてくる。こうした情報が、がん登録や各種疾患データベースに登録されていく。単に遺伝子検査を行うだけでなく、情報をどう管理し、いかに利用するかに関する議論が必要な時代なのです。しかし、医療自体をを否定していたのでは、こうした医学の進歩に伴い生じる諸問題を解決していくのも極めて難しくなります。 こうした問題は避けては通れない。なぜなら、米国では遺伝子検査がかなり普及してきているからです。医療...