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「全カルテが見える」連携に疑義 -木村通男・浜松医大医療情報部教授に聞く◆Vol.1

インタビュー 2013年11月22日 (金)  聞き手・まとめ:橋本佳子(m3.com編集長

「カルテが全て見えることがいいことだと、無条件に考えすぎていないか」。医療情報連携の現状に対し、こう問題提起するのは、浜松医科大学附属病院医療情報部教授の木村通男氏。IT技術の急速な進展に伴い、情報連携が大量のデータを相互にやり取りする方向に向かいつつある現状に、警鐘を鳴らす。医師の負担が増し、訴訟リスクも誘発しかねないからだ。情報連携が地域単位で進むが故に、地域間の連携がないなど、他にも問題が多々あると、木村氏は見る。 こうした問題を解決するため、木村氏が副理事長を務める日本IHE協会と、JAHIS(保健医療福祉情報システム工業会)は、厚生労働省の2013年度の事業として、連携基盤作りのための実証事業を行う。木村氏に医療情報連携の現状の問題点や実証事業を概要をお聞きした(2013年11月14日にインタビュー。計4回の連載)。 ――まずITを活用した地域医療連携の現状をどう見ておられるのか、お考えをお聞かせください。 国が補助金を出す形でのITを使った地域連携の実証事業は、これまで何度か行われてきました。2003年には経済産業省の「地域連携型電子カルテ推進事業」が実施された。最近では、...