訴訟リスク回避のシステム構築を - 木村通男・浜松医大医療情報部教授に聞く◆Vol.2
インタビュー
2013年11月29日 (金)
聞き手・まとめ:橋本佳子(m3.com編集長)
――退院時サマリーをいかに的確に書くかが、研修医などのトレーニングの一つになるとお聞きします。しかし、ITが普及すると、紹介状やサマリーを的確に書く習慣が薄れる懸念がある。 それが問題なのです。今の学生さんって、ウィキペディア(Wikipedia)からコピー&ペーストでレポートをまとめる世代でしょう(笑)。手書きの時代は、手が疲れるので、必要最小限しか書かなかったけれど、今は、「巻き物」のような長いレポートが出てくる。 木村通男氏は、見落としによる訴訟リスクを回避するため、「医師はここまで見ればいい」と線引きする必要性を指摘する。 情報を取捨選択して、相手に的確に伝えることは、プロである医師の仕事。これは、評価されるべきであり、診療報酬を付けてもらいたい。他の職員に任せることもできない。ITでできるか、と言えば、それもまだ無理。「自然言語処理でできる」という人もいます。9割5分くらいまでできるかもしれない。けれども、5%が不正確なサマリーでは、医療のクリティカルな状況では使えません。 もっとも、医師に「とても全てのカルテを読む暇がない」と言わせてはいけない。ここが、この話の難しいところ...
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