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各国の成功や失敗の教訓から学べ - 木村通男・浜松医大医療情報部教授に聞く◆Vol.3

インタビュー 2013年12月6日 (金)  聞き手・まとめ:橋本佳子(m3.com編集長)

――医療機関同士が「必要十分な情報共有」を行い連携するためには、何を実施すればいいでしょうか。 諸外国の状況を見ると、(1)情報連携の範囲、(2)ガバナンス、(3)データを取り込むための標準規格や国民のID、(4)予算――などが関係してます。 木村通男氏は、情報連携に当たっては、費用や患者から同意を得る手間、どんなデータをどんな目的で共有するのか、などを明確にする重要性を強調。 まず情報連携の範囲ですが、「範囲が広いプロジェクト」、つまり処方歴も、検査結果も、カルテも、何もかも共有するプロジェクトは、大抵、失敗しています。ガバナンスについては、政府が旗を振って動きやすい国と、そうでない国があります。(3)は技術的な問題であり、(4)は予算があるかどうかです。 イギリスの医師は公務員が基本ですから、政府のガバナンスは利きます。NHS(英国国民保健サービス)のIDもあります。けれども、情報連携の範囲が広く、カルテも検査結果の共有を進めましたが、現在うまくいっているのは処方歴の部分くらい。デンマークは、処方歴などに範囲を限定し、医師はイギリスと同様に公務員だからうまくいっています。ただ残念な...