日本の医者は質問するのが下手
オピニオン
2013年12月5日 (木)
岩田健太郎(神戸大学大学院医学研究科・微生物感染症学講座感染治療学分野教授)
日本人は時間の使い方が上手ではない。医療職、特に医者はそれが顕著だと思う。だらだらと遅くまで病院に残っていることを由とする風潮があり、ひどいのになると、それが目的化していることすら、ある(なんでそんなに早く帰るの?)。 男女平等なんとか、みたいな会合に呼ばれることがときどきあるが、信じられないことにそのような会合はたいてい夜か週末に行われる。その会合の時間をスペアしてくれれば、もっと家事育児に時間使えるとは思わないのだろうか。 ぼくがアメリカにいた時は、重要な講義は平日の朝にやっていた。ゲストスピーカーの講演もそうだった。頭が一番回っている時に一番重要な講演を聞くというのはとても理にかなっている。学会の最重要なプレナリーセッションも通常は初日の午前中だ。でも、平日の朝に講演を行う日本の病院はほぼ皆無である。疲れきった金曜の夜に講演をやっても頭に入るまいに。 その夜の講演を後押ししているのが、その後にある懇親会だ。あれは実にもったいない制度である。 懇親会の時に質問されて、答えてもそれはせいぜい2、3人に対する回答である。100人の聴衆を前にした質疑応答にそれを聞いてくれれば、その議論は...
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