1. m3.comトップ
  2. 医療維新
  3. 「持続可能」疑わしい介護保険

「持続可能」疑わしい介護保険

オピニオン 2013年12月4日 (水)  愛知県保険医協会

安倍内閣が今国会に提出した「社会保障改革プログラム法案」では、来年介護保険制度を見直すことが盛り込まれている。 制度見直しの具体的内容は、現在社会保障審議会介護保険部会で検討されている。具体的には、(1)「要支援1、2」の約150万人を市町村が実施主体の「新しい地域支援事業」へ移行させ、その費用の自然増部分も抑制する、(2)現行1割の利用者負担を一定以上所得者については2割とし、負担上限額も引き上げる、(3)特別養護老人ホームへの入所を、原則要介護3以上に限る、(4)介護保険施設の低所得利用者の食費・居住費にかかる補足給付を見直し、低収入であっても資産を保有する者の補助を打ち切る――などとなっている。 介護保険が施行されてから13年。「医療から介護へ」「在宅介護の重視」をうたい制度変更が繰り返されてきたが、度重なる保険料値上げや給付抑制などにより、サービス利用の制限を余儀なくされる利用者が後を絶たない。必要な医療や介護、生活支援を受けながら、住み慣れた地域での生活の継続が可能になるという「地域包括ケアシステム」の議論も並行して行われている。しかし負担増ばかりが先行し、必要なサービスを受...