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尊厳死でも対立構造を好むメディア

オピニオン 2013年12月11日 (水)  長尾和宏(長尾クリニック院長)

昨日(編集部注※12月5日)は、「神経難の在宅医療と終末期ケア」について兵庫県芦屋市で医療・福祉関係者に講演をさせて頂く機会がありました。 筋萎縮性側索硬化症(ALS)は神経難病の代表的疾患です。徳州会病院の徳田虎雄さんが闘病されている病気。全身の筋肉が萎縮し、呼吸や食事ができなくなります。 神経難病にはALS以外に、パーキンソン病、脊髄小脳変性症、多系統委縮症、ミトコンドリア脳筋症、クロイツフェルトヤコブ病などたくさんの病気があり、現在それぞれを在宅で診ています。 人工呼吸器や胃ろうにという選択を迫られることがあります。その場合の人工呼吸器や胃ろうは、延命治療ではありません。車椅子と同様福祉用具なのですが、それらを拒否される方もおられます。 当院でも数えてみると過去に神経難病を数十人診て、現在も10数人の神経難病の方の在宅医療を担当しています。胃ろうと人工呼吸器が付いたALSの方は、3人診ています。 普段、神経難病を特に区別せず診ています。がんも認知症も脳梗塞も神経難病も、自分の頭の中では特別意識せずに、普通に、同等に在宅医療を行っています。 ただ、気管切開をすると痰の吸引が必要にな...