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医療の市場化・営利拡大を許すな

オピニオン 2013年12月12日 (木)  住江憲勇(全国保険医団体連合会会長)

安倍政権は、「国家戦略特別区域法」について、参議院内閣委員会での実質的審議をわずか1日程度しか行わず、12月7日の参議院本会議で可決、成立させた。水岡俊一参議院内閣委員長を解任するなど、異例の運営を行ってまで成立させようとの姿勢は民主的な国会運営に大きく反する。 医療分野では、「医療法の特例」として、「国際医療拠点」を作り、病床の規制緩和を行うとしているが、特区以外の医師や看護師の人材が吸い上げられ、現在でも不足している医師や看護師の人材不足を助長しかねない。 また、成長戦略で先進医療の大幅拡大を目指し、外部機関による評価と審査期間の短縮を計画しているが、そのために特区において事前相談のシステムをつくる規制緩和も行うとしている。薬事法の承認がないものも「先進医療」の対象となっている中、効率性を優先した臨床研究や審査期間短縮によって、安全性、有効性の証明が形骸化し、想定外の薬害や医療事故が起きる危険性がある。 当会は、十分な審議のないまま、国民生活に密接に関わる分野を競争原理にさらし、医療分野ではその市場化、営利化拡大を狙う重大な影響を及ぼす「国家戦略特別区域法」の成立に強く抗議するとと...