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安易な胃ろう造設にメス

レポート 2013年12月12日 (木)  島田 昇(m3.com編集部)

中央社会保険医療協議会総会(会長:森田朗・学習院大学法学部教授)は12月11日、胃ろう造設の在り方などについて議論した(資料は、厚生労働省のホームページに掲載)。 厚労省は、日本の胃ろう造設数が英国の10倍(人口100万人当たりの胃ろう造設数が日本は657件なのに対して英国は55件)と諸外国と比較して多いことを問題視。胃ろう造設時に嚥下機能の評価を実施していない事例が22.9%もあり(1467人が回答)、逆に嚥下機能の評価を実施してから胃ろうを造設する医療機関は25.8%にとどまっている(414病院が回答)。 胃ろう増設後の患者を受け入れた介護保険施設からも「嚥下機能評価の結果」や「嚥下機能訓練の必要性」などの情報提供が不足しているとの声も多く、厚労省は安易な胃ろう造設にメスを入れるべく、胃ろう造設前の嚥下機能評価の実施や増設後の連携施設への情報提供の推進について、診療報酬で評価する方針を示した。 回復へ取り組む医療機関も評価 一度は経口摂取不可と診断した患者についても、十分な嚥下機能訓練を行うことで、半数近くの割合で経口摂取可能な状態に回復した調査結果もあることから、医療機関における...