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名古屋大の降圧剤論文「恣意的な操作なし」

レポート 2013年12月14日 (土)  池田宏之(m3.com編集部)

降圧剤「ディオバン」を巡る論文不正疑惑で、名古屋大学は12月13日、同大学の第三者も入れた公正研究調査専門委員会の中間調査報告の結果を公表し、同大で記者会見した。京都府立医科大学や東京慈恵会医科大学の同様の研究で見つかったデータ操作の可能性については、「現時点では恣意的な操作はない」との見解となっている。 NAGOYA HEART Study(NHS)の結果が掲載された2012年のHypertension誌の論文において、降圧剤販売元のノバルティスファーマ社の元社員の肩書が明記されていなかったことについては「不注意」(同大学の副総長、藤井良一氏)との認識。一部エンドポイントの変更もあったが、イベントを分析する前の変更で「論文の結論に影響はない」としている。元社員と大学の研究者の言い分が一致している点も、京都府立医大や慈恵医大とは違った点となっている(『詳報、京都府医大「降圧剤論文問題」報告書』、『「科学論文の価値ない」、ランセットJHS論文撤回へ、慈恵医大』を参照)。 名古屋大学副総長の藤井良一氏は、NHS論文について、「恣意的な操作はなかった」との見解を示した。 「心不全による入院」...