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次の改革対象は支払基金の可能性-八代尚宏・国際基督教大学教養学部客員教授に聞く◆Vol.3

レポート 2014年1月8日 (水)  聞き手・まとめ:池田宏之(m3.com編集部)

――2013年の医療は、「成長産業化」の側面に、目が向いていたと思います。 混合診療(保険外併用療養の拡大)は成長産業になると思います。まず基礎的医療を公的保険で確実にカバーして、上乗せ部分を自由診療にして、アメニティだけでなく高度先進医療に広げていくことが考えられます。元日本医師会会長の坪井栄孝氏は、「遺伝子治療等の高度な医療費まで公的保険の対象にするのは難しいのではないか」と言われたことがありました。どこかで公的医療費の範囲に線を引かなければ、国民の負担できる範囲内に公的医療費の膨張を抑制することは不可能です。 また、医薬品も成長産業となり得る1つの側面です。日本の医薬品産業が弱いのは、医療費抑制のための、厚労省による価格統制が過剰なことが原因だと思います。診療報酬を包括払いにして、薬の仕入れも病院の交渉力に委ねれば良いと思います。高価な薬も、患者の早期回復に役立つなら、むしろ医療費の削減に結び付きます。 後発医薬品を育てるという意図で、その単価を上げれば、結局使われません。価格は市場の需給に任せれば良く、下手な産業政策は止めてほしいです。また、フランスのように、後発医薬品がある場...