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喘息医療費全額助成、継続を

オピニオン 2013年12月20日 (金)  野本哲夫(全国保険医団体連合会公害環境対策部長)

東京都は12月5日、医療費助成制度の対象となるぜんそく患者の新規認定を2014年度末で打ち切り、助成額も全額から3分の1に縮小する方針を明らかにした。都の助成制度は、2007年の東京大気汚染訴訟の和解を受け2008年8月に創設され、財源は国と都、自動車メーカーなどが拠出している。 都は、国や自動車メーカーが新たな財源負担に応じないことを理由に、患者一部負担の導入や新規患者の打ち切りをはかろうとしているが、制度開始以来、認定患者は7万6000人に達しており、見直しの影響は甚大である。 東京保険医協会が実施した患者アンケート(2012年、1656人回答)では、無料化によって治療に対する意欲が高まり、症状が改善したと答えた人が53%にのぼり、患者の92%が制度の継続を望んでいる。また、医療機関側からみても、定期的な通院治療が増え重症患者が減少していることが実感されている。 1988年の公害健康被害補償法(公健法)の改悪により公害指定地域が解除され、新たな大気汚染公害被害者の救済が打ち切られて20数年が経過、近年は、自動車の排ガスによる子どものぜんそく患者が顕著に増加している。 本会は、国の制...