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降圧剤論文、米学会が独自に撤回、滋賀医大

レポート 2014年1月21日 (火)  池田宏之(m3.com編集部)

降圧剤「ディオバン」に関する論文不正問題で、米国糖尿病学会は、同学会誌「Diabetes Care」に掲載された滋賀医科大学のディオバンの腎機能改善効果を調べることを目的とした医師主導臨床研究「SMART」の撤回を決め、同大学に通知した。決定は1月17日付。大学やSMART研究責任者で、同大副学長、附属病院院長の柏木厚典氏は、撤回の意向を示していなかったが、同学会は、大学の調査委員会の報告書を入手した上で、「論文データは信頼できないと考えられる」と結論付け、独自に撤回を決めた(『「科学論文として不適切」、滋賀医大が調査公表』を参照)。 同大によると、柏木氏は「責任の重要性に鑑みて、(副学長や附属病院院長を)辞任する。ただ論文はデータを再解析した上で、別の雑誌に再投稿する」意向を示したという。 SMARTについては、論文に使用されたデータと、実測値の記載されたカルテデータの比較で、尿中アルブミン/クレアニチン比(ACR)の値が全体で10.1%の不一致があり、特にエンドポイントでディオバン群に優位になるような値になっていたことなどが確認されていて、報告書は「恣意性が否定できない」などとして...