1. m3.comトップ
  2. 医療維新
  3. 降圧剤論文の「犯人探し」では解決せず-曽根三郎・日本医学会利益相反委員会委員長に聞く◆Vol.1

降圧剤論文の「犯人探し」では解決せず-曽根三郎・日本医学会利益相反委員会委員長に聞く◆Vol.1

インタビュー 2014年2月13日 (木)  聞き手・まとめ:池田宏之(m3.com編集部)

2013年、降圧剤「ディオバン」を巡る医師主導臨床研究について、京都府立医科大学の論文についてデータねつ造の可能性が指摘されたことに端を発し、ランセット誌に掲載された東京慈恵会医科大学の「Jikei Heart Study」が撤回される事態も起きた。厚生労働省は、再発防止を目的として「高血圧症治療薬の臨床研究事案に関する検討委員会」を立ち上げ、ディオバンの大規模臨床研究を行った計5大学の調査を始め、10月には、「会社と大学、両者に責任がある」とする中間報告書をまとめ、2014年に入っても、各大学での調査が続いている。 日本医学会利益相反委員会委員長で、厚労省の検討委委員会の委員も務める曽根三郎氏(徳島大学名誉教授、JA高知病院院長)に、再発防止策や日本の臨床研究における問題点を聞いた(2014年1月17日にインタビュー。計3回の連載)。 検討委は90%責任果たした ――厚労省の検討委員会の委員を務めていますが、一番意識していることは何ですか。 重要なのは、今回の検討委で明らかになった問題を、いかに早急に改善し、再発防止できるかです。産学連携による大規模の介入研究を推進していくことは標準...