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法案提出目前も、問題多々の“事故調”案

レポート 2014年2月10日 (月)  橋本佳子(m3.com編集長)

全国医師連盟が2月9日に開催した「第3回医療事故調シンポジウム」で、シンポジストは異口同音に、いまだ厚生労働省の“医療事故調”案には問題点が多いことを指摘した。厚生労働省の“医療事故調”法案は、既に自民党の関係部会での議論を経ており、今国会に提出される予定だが、同法案には曖昧な点があるため、法案審議、さらには今後、施行規則やガイドラインが定められる際には、注視していく必要性が改めて強調された。 全国医師連盟代表理事の中島恒夫氏は、シンポジウムの冒頭、「厚労省の“医療事故調”案(以下、厚労省案)の制度設計には問題山積だが、なぜ進めようとしているのか」と問題提起。 冒頭で挨拶する、全国医師連盟代表理事の中島恒夫氏。 厚労省案の問題の第一が、「事故調査の目的が、責任追及か、再発防止かが議論になった。この点が最後まで曖昧にされた。建前は再発防止のための事故調査であっても、結局は責任追及の話になる」(長崎県の諫早医師会副会長の満岡渉氏)点。満岡氏は、責任追及と再発防止という二つの目的が混在した厚労省案では、医療安全のための的確な情報収集が妨げられるだけでなく、医療安全の目的で医療者は「自白」を迫...